仕事じゃねえんだ、真面目に走れ〜40歳からのマラソン”Sub3"〜

育児と家庭と他の膨大な趣味とわずかな仕事をこなしつつ、、、。「ちょっとまたお父さん走りに行ったみたい・・・。」と妻と娘にゲキを飛ばされ突然マラソン"Sub3"を目指して走り始めた「まっさん」のブログ

【靴が多すぎる話し】

日々の大したことない出来事をそのまま載せてもつまらないので村上春樹さん風に綴ってみます。ハルキストの方すみません。


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今、僕は語ろうと思う。

もちろん問題は何ひとつ解決してはいないし、語り終えた時点でもあるいは事態は全く同じということになるかもしれない。

結局のところ、文章を書くことは自己療養の手段ではなく、自己療養へのささやかな試みにしか過ぎないからだ。
しかし、正直に語ることはひどくむずかしい。僕が正直になろうとすればするほど、正確な言葉は闇の奥深くへと沈み込んでいく。

弁解するつもりはない。

少なくともここに語られていることは現実の僕におけるベストだ。つけ加えることは何もない。それでも僕はこんな風にも考えている。

うまくいけばずっと先に、何年か何十年か先に、救済された自分を発見することができるかもしれない、と。
村上春樹風の歌を聴け』よりだいぶ引用)

妻が僕に訊いた。
「ちょっとあなたの靴が多すぎると思わない?」

僕はすぐさまこう切り返した。
「ち、ち、ち、違うんだ。靴が多すぎるんじゃないんだ。」

「何が違うの?靴箱から靴がはみ出しているのよ。」

やれやれ、いつも女性はこうだ。
第一に、靴箱から靴がはみ出したことになんの問題があるというのだ。

「何故こんなに靴が増えたんだと思う?」
そこまで話が進んだのは初めてだった。
わからない、と言ったように彼女は首を振った。

僕はこう続けた。
「完璧なランニングシューズなど存在しない。
完璧なランナーが存在しないようにね。」

「わけわかんないこと言ってないで片付けなさい!」
バタン!!
玄関の戸を閉めて彼女は仕事へ行ってしまった。

「パパ、ママはなんで怒っているの?」
最近3歳になったばかりの娘もこの状況がわからないようだ。

「さあね。」
と僕は言い、こう説明した。
人間とは大別するとだいたい二つのタイプに分かれる。つまりランニングを好む人間と、そうじゃない人間だ。別に前者が健康的で運動を好みかつ前向きで自分に厳しい人間であり、後者がその逆で、というわけではなく単に寒い夜でも暑い昼でもよく晴れた気持ちの良い日でも雨が降っていて外に出たくない日でも、ジョギングに出かけるか出かけないかというだけの単純な話である。




「理解できた?」
「理解できたところもあるけど理解できなかったところもあった。」

僕を見つめる彼女の目は一介の曇りを見せ、そんなふうに訴えていた。
そうだね、彼女もまたランニングオヤジの被害を受けているひとりでもある、曇りないはずの瞳が若干くぐもったように見えたのはコレのせいかもしれない、僕はそう思った。

「パパがおかたづけできないから?」

「それはどうかな?」
この靴がそこに並んでいることはきわめて必然であって、その時履きたい靴はその時に決まる。
4’00分/kmで乳酸閾値を超えて疾走したい日もあれば6’30分/kmのAeT値走をしたい日もある。

「パパおかたづけしなさい。」

やれやれ、女性ってのはいつもこうだ、ママの口癖がしっかり移っているじゃないか。

仕方ない、今日は靴箱の掃除をしよう。
娘を保育園に送り出した後、僕は靴箱の掃除を始めた。

くっ!

Σ(゚д゚lll)

く、く、く、靴が多すぎる!!

おわり