仕事じゃねえんだ、真面目に走れ〜40歳からのマラソン”Sub3"〜

育児と家庭と他の膨大な趣味とわずかな仕事をこなしつつ、、、。「ちょっとまたお父さん走りに行ったみたい・・・。」と妻と娘にゲキを飛ばされ突然マラソン"Sub3"を目指して走り始めた「まっさん」のブログ

【レースレポ②】悔しさだけが残った新横浜おいやんマラソン〜走り始めてからのラップとか心境の変化とか〜

www.breaking3.tokyo
↑レポ1はこちらよ。↑

神ペーサーおいやん率いるSub3組

Sub3グループはペーサーおいやんさん筆頭にTomさん、じゅんさん、イナズマさん、あけキャプさん、平岡さん、 たくさん、のSub3ランナー勢。
そしてSub3目指す組はトマチョゲ、Ryo君、 High君、めろすけさん、そしてまっさん。

布陣はおいやんさんとTomさんが先頭。
じゅんさんが時々列から外れSub3目指す組を観察してくださってる。けつ持ちはイナズマ氏。
ペーサー2人の後ろにトマス氏、あけキャプさん、平岡さん、High君、そして居場所が定まらずチョコマカ動き回る Ryo君。
集団走に慣れてないまっさんは1番後ろにつくことにした。めろすけさんと並走。

走り始めてすぐ思った。

「ぃやーん、、走りやすい♡」

そしてすぐ作戦を決めた。

序盤は「死んだフリ作戦」

先の東京マラソンで増田明美さんが大迫傑選手の走りを「死んだフリ」と評した。

まっさん、これでいくことに。
痛いとかぐるぐるが嫌だとかそんな感情にフタをして「無」で走る作戦。

おいやんさんの足運びだけを見ながら、
ひたすら目線を落として走る。

時折りこの男が集団の中を行ったり来たり、まっさんポジションに入ったり出たりするが気にしない。


この男である。

走り始めは「かなり楽。」

START-10km

21'04"-21'01"=42'05"(4’12/km)

なぜGPSも無く1周ごとのタイムしかわからないのにぴったり走れるのか?
すごいなぁ、と思いつつ、淡々と進む。
あっという間に10km通過。かなり楽。

神なの?時計人間なの?おいやんなの!

11km-20km

20'54"-20'45"=1:23'43"(4’11/km)
これだけで酒飲めるラップじゃない??

なんか、遅くないですか??
余裕すぎるペースなんですけど。
と言うくらいの気持ちで走り続けるがペースは4’10/km付近をピタリと刻む。本当に正確なおいやんさん。
ペースの上げ下げもないのでキツさがない。

普段の月例青梅マラソンや多摩川だと風やアップダウンの単独走なので本当に集団が楽。

普段の練習で集団走とか出来るだけやらないで1人で走るのはここぞという時にこの恩恵を享受したいからだな。これからも続ける。

ひたすら、帽子を目深にかぶり「死んだフリ作戦」
帽子を目深にかぶる作戦はマウントチミー氏伝授。
12kmあたりでトマス氏が取った給水を後ろに送ってくれる。ボトルにわずかにひと口入ったモルテンをいただく。

これが最初で最後の給水となる。

そしてこの頃から集団の中を縦横無尽に動き回る、ある男に変化が。
なぜか靴をペコペコ鳴らしながら走り始める。

この男である。

どうやったらあの音が鳴るのか、色々やってみたがどうやってもあの音が出ない。まぁ、とにかく時々足を叩くなどかなり辛そうだ。
頑張れ!と念じつつも「1番初めに脱落しなくても済むのでは??」と期待し始めるw

ナチュラルB-UPで苦しくなった中盤戦

21km-30km


ハーフ通過は1:27'58 (4’10/km)
東京マラソンなら門前仲町のマック前通過である。
20'37"-20'39"=30km=2:04'59"(4’10/km)

20km過ぎにRyo君、続いてHigh君がいなくなる。
おい!若者!!おっさんに負けるな!!

と思いつつ、彼らの分まで頑張る。
そして、悔しがらせてやろう。
1kmでも多く走ってヴェイパー黒く塗ってやるぞ。
という気持ちの変化になってくる。

ねぇ、めろすけさん!
と思ったらめろすけさんもいなかったorz...

「死んだフリ作戦」のはずだがだんだんキツくなってきた。

25kmくらいで給水を取ろうとした。
スピードを緩めてボトルを取ったら脚が吊りかけてボトルをコース脇に投げてしまった。
給水失敗、ボトルは誰もいない階段のそばに最後まで落ちていた。くそう。

そしてペースがなんだか速く感じて来た、疲労も足に溜まりはじめている気もする。っつーか、実際速い。

前を走るトマス氏の背中が安定した走りをしていることを思わせる。まだヤツは余裕だ。

最後までやり切ろうぜ、なぁ、トマス氏よ。
という気持ちと
ちょっと速いよね、少し落としませんか、トマス氏よ。
という気持ちだよね。

そんな時、
30km手前で後ろから聴き慣れたやたら甲高い声が聞こえる。
「えっ!まだまっさん走ってるよ!」
マウントチミー氏peta氏のトレインだ。
「まだいけるぜ!」「頑張れ!」とエール交換するがだんだん厳しくなって来た。くそう、きつい。

30km通過、2時間05分。
東京マラソンなら銀座駅通過。

地獄の後半戦

このままついて行ったらあと数キロで止まりそうだ。
キツいなぁ、、なんて思っていたら集中力が切れたのか痛み止めが切れたのか足首がひどく痛い。

なんだかこの辺りが擦れ合って足をつくごとにピキピキと痛い、くそう、つらい。
心拍も上がって来たことから無理をせずSub3に安全着地することにした。
4’30/kmを見なければギリギリSub3行ける。
離れて単独走で行こう。32kmでそう決めた。

31km-35km


21'24"(4’16/km)
32kmから2.3kmはうまくペースを落とせて4’15/km付近で走れた。心拍も少し下がった。
集団から離れたがここはポジティブに考えて自分でペースメイクする練習だ、と思うことに。
そして絶対にSub3で走り切る。
朝のやる気のなさなんてどこかに行ってた。
どんなにギリギリでも良いからSub3する。

36kmから待っていた地獄の単独走


22'14"-11'07"=2:59'45"(4’15/km)

単独走になってから意外と風があることに気づく。
リズムも、おいやんさんの足元だけ見ていれば刻めたピッチが刻めなくなり160台に下がって行く。

死んだフリして本当に死んでしまったまっさん。

4’20/kmすら厳しくなって来て気を抜くと4’30/kmを超えてしまう。
喉も渇いたし補給もない。
よく考えたらエイドの誰かに声をかければ良かったのにそんなことも思いつかなかった。

走っているとこの男がいた。

東京でSub50を密かに狙っていたSS(スピードスター)だ。

これはチャンス!
「頼む!4’15/kmで引いてくれ!!」
と叫ぶ。きっとヤツなら朝飯前だ。

男が発した。
「えっ???」
まっさんも発した。
「えっ???」

そうだ、忘れてた、ヤツは家から横浜まで20km以上走って来てまた回廊をぐるぐる回ってるんだった、変態野郎かこの時55km走っていたようだ。
頑張って引いてくれたが、

とても遅いwww
(4’40/kmくらいね。)

頼んでしまった上に、頑張って走ってくれてるので言い出しづらかったがそんなこと言ってる場合ぢゃねえ。

まっさんは、数百メートル走りこう言った。

「なんかもういいや、ありがと。(塩)」

無理なペースアップで彼が離れていくのを感じた。

まっさん思った。

「まあ、、、いっか。」

まぁ、この際どうでも良いことだ。

まっさん、ひどい男である。


奇跡のショットだwww

その後は、回廊を回っているのになんだかずっと真っ直ぐ走っている変な気持ちになって来た、奇妙な感じだ。
ふと気づくとこの光景。


無限ループのように真っ直ぐな道を一人で走り、時々現れるこの応援してくれる人達。
なんだか黄色の人(katsuさん)またいるしなんでだろう、と意識朦朧。足も痛い、やめようと思うけどなんか時々現れるこの人たちが応援してくれるのでやめない。なんで応援してくれるんだろう?
そんな朦朧感。
本当にありがとうございました。
意識朦朧の中での支えでした。

それでも42kmは近づいてくる

38.39.40.41と時計の数字が増えていく。
あと少しだけ、あと少しだけ走ったら終わりだ。

集団から離れてしまったので、
どこがゴールだかもわからない。

とにかく42.2kmを過ぎたらそこで終わりにしよう。
開催要項に「測定は各自のGPSウォッチ」と書いてあった気がする。

後方で大歓声が起こる。誰かゴールしたのか?
トマちょげがゴール??ゴールはどこ??
よくわからないが振り返らず走る。


きっと後ろではこんな瞬間だったんだろう。
すごいよ!トマス氏!!

ゴールまであと1周だとしたらもうSub3は無理だ、
もうやめよう、、意味がない。歩こう。
と思った瞬間に誰かが背中を押してくれた。



「最後まで走れ!!頑張れ!!!」



聴き慣れた声、安心する声のはずのその声は、

聴き慣れない罵声に近い厳しく強い口調だった。

トシ姉ぇだった。

4’30/kmペーサーをしていたトシ姉ぇが追い抜きざまにゲキを飛ばしてくれた。

あっという間に離れて行きそうな青い背中を追った、必死についていった。

誰もいないゴール

回廊を半周くらい走ったあたりだろうか、
トシ姉ぇの青い背中が遠くなる、
ふと、ガーミンに目を落とすと 42.36kmの文字が。

ここが、ゴールだ。もういい。
時計を止めた、2:59'45"だった。

離れていくトシ姉ぇの背中を見ながらその場に崩れ落ちた。

誰もいなかったwww
歓声も上がらなかったし、感動もなかった。
ただただ、足が痛かった。

混乱しつつももう良いや。
今日はここが自分のゴールだ。そう思った。

回廊をとぼとぼ足を引きずり、歩いてエイドを目指す。
何周もしたはずなのにすごく遠かった。
たった半周なのに、
歩いても歩いてもエイドにつかなかった。

足がとても痛いし、
15kmが最後の給水だったから喉も渇いた、
お腹もとても減った。

決まったゴールがどこかにあったかもしれないけど、そんなのどうでも良かった。


ただ、
42.36kmの距離を2:59'45"で
移動できた事実がここにある。


ただ、それだけだった。


もう、それだけでよかった。


レポ③に続く。

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トマス氏のレポがすごく良いので貼る。
texas-sky.hatenablog.com